アスベスト吸引を知った時の検査と症状





アスベストの吸引を知った健康診断

私は50歳から 健康保険組合が無料で行っている、1年に1度の健康診断を毎年受けていました。

50代では中高年にありがちな生活習慣病の予防のため、肝臓や中性脂肪などの数値に気をつけながら健診を受けていました。

健康診断の内容は、血液検査や尿検査と胸部レントゲン撮影が主な内容です。

 

2009年までは、健康診断の胸部レントゲン結果表には正常と記されています。

ところが2010年の胸部レントゲン結果表には(左胸膜肥厚 以前と変化なし)と記されています。

それから毎年、胸部レントゲンの結果表には(左胸膜肥厚 昨年と変わらず)と記されています。
この時点で私自身、胸が悪いという意識は全くありませんでした。

アスベスト読影

通常の胸部レントゲン撮影では、アスベスト吸引の有無を判断することは難しいようで、アスベスト、じん肺関連の疾患は専門医でないと正確な診断が難しい特殊な病気でした。

健康保険組合では、レントゲン撮影結果を専門医によって(アスベスト読影)再読影されていました。

私に、胸部レントゲンフィルム再読影のお知らせが届いたのは、平成25年、今から5年前です。

 

それまではアスベストに対しての知識があまりなく、若い頃に綿のような吹き付け材が施されている建物を見た程度でした。

軽い気持ちで専門医の検診を受けることにしました。

専門医による診察と検査内容

健康保険組合から予約を取って頂き、電車で一時間半以上かけて専門医の診察を受けました。

アスベスト再読影後の専門医による受診内容は、肺活量検査、レントゲン、 CT、 専門医の診察です。

肺活量の検査は充分に吸い込んだ空気を最後まで一気に出し切り、排気量を測定する検査です。

 

検査結果は実年齢60歳で肺年齢はなんと74.7歳でした。

意外でした!

若い頃からスポーツが好きで、肺活量には自信があると思っていただけにショックでした。

 

レントゲン撮影後、CTによる検査を受けました。

最後に専門医によるCT画像を見ながらの診断結果を受けました。

残念ながら、明らかにアスベストを吸引した時に見られる、肺の変化が ある事を告げられました。

 

長年、アスベスト吸引患者を診ておられるだけに、信憑性があり受け入れる以外にありませんでした。

先生によれば、CTの画像で一般の呼吸器の医師では見過ごされがちで、専門医でないと分かりづらい肺の変化があるとの事でした。

結果は、経過観察(軽微な異常)と言うことで、症状に変化があれば再診するか、近くの病院で診察を受けて下さいとの報告でした。

アスベストの健康被害についての詳しい資料等を頂いて帰路に着きました。

症状と精神状態

帰宅後、資料を読んで、アスベストの怖さと、自分がアスベストについて余りにも無知で、それまで何も知らされず作業をしていた事へのショックと腹立たしさを感じていました。

初めて専門医の検診を受けた60歳の頃は、特別に胸の症状を感じる事もなく、偶に仕事上で無理な体制で作業を行った時に肋骨付近に筋肉痛や筋違いの様な痛みがありましたが、歳のせいだと勝手に解釈していました。

今思えば、肋骨付近の痛みもアスベストの影響だった様に思えます。
と言うのも、年々痛む回数が増えているからです。

 

肋骨付近が痛み出してからは、好きだったゴルフで体を捻る事が辛くなり辞めざろう得なくなりました。

年々、胸の痛みや異常を感じる事が多くなり、仕事を続けるのが辛くなって来ました。

今年は冬から極力、風邪を引かないよう心がけ、インフルエンザや肺炎球菌の予防接種も受け、間もなく専門医の再診も受ける予定でいます。

最後に

アスベストの問題点は、アスベストが含まれた材料や建材の危険性や怖さについて何も知らされずに作業を続け、アスベストを吸引した恐れがあるにも関わらず、体への影響が30年~40年後に出るところにあります。

今後、アスベスト被害者が増え続ける事が予想されます。