電車の優先座席





優先座席の譲り合い

叔母の葬儀会場に行くには、電車で一時間半以上かかります。
そのため到着時刻を予測して、前日から乗り換え案内を利用して出発時刻を想定していました。

ラッシュの時間帯より遅くなるので、座席にゆっくり座れるだろうと安心していました。

ところが、その日に限って架線事故の影響でダイヤが大幅に乱れ、取り止めになる列車もあるとのことでした。

 

ようやく来た新快速電車は、ラッシュ時並の混みようで、奥へ奥へと追いやられ優先座席の前まで来た時、優先座席に一つ空席があり、座ろうとしたその時、後ろにいた80代のお婆さんと目が合い、思わず座席を譲りました。

本当は座りたかったけど、お婆さんを差し置いてさすがに気が引けました。

これから1時間程、立っての移動を覚悟しながら、座席に座っている人を観察していました。

 

優先座席窓側には、80代と思える老人が二人座っていましたが、通路側を見ると大学生らしき若者が居眠りをしながら座っていました

最初は、「若者が座席を譲ってくれないかな~ 寝たふりして今時の若い者は」何て、シニア世代にありがちな愚痴を考えながら立っていたのですが・・・

ふと、SNSでハイキングに行く元気な高齢者のオバちゃん達が、座っている若い主婦に、席を変わるのが当然のように嫌味を言って、疲れている若い主婦が逆ギレして言った言葉に、オバちゃん達が言い返せなかった内容が話題になった事を思い出しました。

金銭的にも時間的にも余裕がありそうなオバちゃん達と、子育てとパートの疲れで座っている主婦と、どちらを座らせてあげたいか考えるまでもありません。

 

私も、「あーあ、この若者もきっとアルバイトや勉強で疲れているのかな~」と、相手を思いやる気持ちに切り替えていました。

不思議な事に、そう考えるだけで、立っていても苦になら無くなっていました。

それから20分ほどして、主要駅でその若者は途中下車して行きました。

 

その席は斜め前で座れるとは思っていませんでしたが、私がお婆さんに席を譲ってあげた行動を見ていた40代くらいの女性が、私にどうぞと言って席を譲ってくれました。

席を譲ってもらえると嬉しいもんですネ! 私の顔に座りたい気持ちが出ていたのでしょうネ!

席を譲ったお婆さんと向かい合わせで座ること約20分、今度はそのお婆さんが途中下車していきました。

 

お婆さんは、席を立つ時に私に深々と頭を下げ、「ご親切にありがとうございました」とお礼の言葉を言って立ち去りました。

今度は、その席に先程譲って頂いた40代ぐらいの女性が座り、結局譲り合いながら3人とも座ることができました。
同じ駅で降りる女性と、笑顔で会釈をしながら別れました。

当日は、生前に大変お世話になった叔母の葬儀のため、気持ちは沈んでいましたが、電車内での出来事がずっと心に残り、清々しい気持ちにさせてくれました。

電車の優先座席について

優先座席での話でしたが、優先座席が一体どういう席なのかちょっと調べてみました。

優先席(ゆうせんせき)とは、鉄道車両やバスなどに設置されている、高齢者優先座席・障害者・けが人・体調不良者・妊婦・乳幼児連れ(ベビーカー含む)などを、椅子への着席を優先・若しくは促す座席である。

日本では「若者が優先席対象者に優先席を譲らない」という事態が日常的に起こっているとされている。

ウィキペディア フリー百科事典より

上記の内容からも、優先座席が高齢者に限った席で無い事は朗らかで、若者の中で優先席を譲らない人が現れるのも、高齢者のモラルの低下がそうさせてる様にも思えます。

最近、電車の空席に老人会の役員が席確保のためにビラを置いていった行為が物議を呼んでいましたが、高齢者は席に座るのが当たり前かのような考え方、捉え方は一般の人から見ればヒンシュクをかい、受け入れがたい行為でしかありません。

一般の人で、見た目は元気そうでも疲れている人もいれば、障害者もいる訳で、見た目だけで判断して、高齢者なんだから全面的に席を譲るべきと考えるのは慎むべきで、考えを改める必要があると思われます。

最後に

お互いに譲り合う気持ちがあったからこそ、お婆さんや40代ぐらいの女性も私と同じ様に清々しい気持ちになっただろう思われます。

私の話はたまたま、優先座席での話でしたが、若者に席を譲られて「年寄り扱いしよって」と怒り出す老人もいる世の中、見た目の年齢にとらわれるのではなく、立ってる人が自分より大変そうに見えれば、席を譲ってあげる位のモラルがあれば、優先座席など必要無いと思えるのですが・・・

 

対面座席に座った時、視線のやり場に困ることありませんか?

電車慣れしている方はスマホや読書、居眠りなど、自分の習慣を身につけておられますが、ジロジロ、キョロキョロも失礼だし、スマホも続かないし、目を閉じるか、たまに乗る電車は気疲れします!