食料品のまとめ買い





主夫の食料品買い物事情

私は一週間に一回以上、スーパーで食料品の買い出しをする主夫です。

妻が病気で買い物をするのが辛くなった当初は、一緒に買い物をしていましたが、今では妻が書いたメモを片手に一人で買い出しに行っています。

妻が元気な頃は、買い物は妻がするもの的な感覚で買い物に付き合うだけで何が安いとか何の関心もありませんでした。

今では野菜が安いスーパーや大型スーパー等、その日の買う内容によってスーパーのはしごをしたり使い分けをしています。

幸い歩いて5分以内の場所に、大型スーパーや地域のスーパーなどが数多く点在する場所なのでスーパーを選ぶ事に関しては苦になりません。

歩いて5分以内と言えども、家族5人分のまとめ買いをするため、品数が多く手に持てる範囲では無く、車で買い出しに行っています。

それにしても、一週間でこんなに消費するのかと思う量に驚きを隠せません。
家族に大食いする者が居る訳でもなく、贅沢をしている訳でもありません。

仕事をこなしながら、空き時間での食料品の買い出しは一大イベントになっています。

買い物環境の変化

40年ほど前に現在の場所に家を建てましたが、当時は徒歩で5分の所に駅が有るだけで、住宅はポツポツ畑と田んぼの多い長閑な土地でした。

当時は買い物をするにも電車に乗るか、車で遠乗りする必要がありました。

只、魚や野菜、酒や調味料、豆腐などは、行商の小売店が訪れ、御用聞きもしてくれました。
お米は米屋さんが配達してくれますし、ビールは定期的に訪問配達してくれていました。

駅に近い事もあり、田畑は高層マンションや賃貸マンションに変わり、人口が増えると共に大型スーパーやチェーン店の飲食店が増え、病院が増え、銀行が増え、と駅周辺の便利な地域になって行きました。

それはそれで、日常生活をする上で便利で有り難いのですが、大型店の進出は地域の小売店が衰退し、閉店する店も増えました。

個人の小売店が多い商店街では人通りも少なくシャッター通りになっています。

スーパーが増えれば、価格競争も有り、消費者にとっては有り難いのですが、翌々考えてみると全て自分で行動しなければならない、買いに行かなければならないのです。

ビールやお米も、個人の小売店では太刀打ちできないほど安く購入出来ますが、全てお持ち帰り価格です。
安く買える分、ガソリン代を使って時間も取られる訳です。

ビールやお米、調味料やトイレットペーパー等、重い商品や大きい商品も多く、少々高くとも配達をしてもらった頃の方が時間の余裕があった様に思えます。

経済情勢の移り変わりで、1円でも安く買いたい購入心理が働く分、時間を取られる訳です。

もちろん、ネットスーパーも利用していますが、品数が少ないのが難点です。
生協の配達サービスは価格は高めですが、妻のカタログショッピングの楽しみとして、適度に利用しています。

小売店が衰退する経済サイクル

大型店の進出は、小売店の衰退に繋がりますが、雇用の機会も生まれます。

只、合理化や人件費削減は、イオンやGUのレジの無人化の流れに見られる様に、パート社員の削減にまで進み、雇用機会すら減る傾向にあります。

小売店が衰退するサイクルは、何も食料品に限った事ではありません。
衣食住すべてに当てはまります。

衣食では大型スーパーの台頭であり、住では、ハウスメーカーや全国規模の住宅会社、マンションの大規模高層化による大手建設会社の台頭です。

大手メーカーの本社は都市部に集中し、各地域での利益が本社で一括管理され、体力のある大手企業が利益を生む経済構造に変わってしまったのです。

地元の小売り店で商品を買う⇒お店が潤う⇒店主がお客さんである工務店に新規のお店を依頼する⇒新規の店での雇用が生まれる⇒工務店が潤う⇒工務店主が地元で商品を買う⇒

地域が潤う一例ですが、これまで保たれていた地域内での経済サイクルが崩壊しているのです。

経済的に余裕が無くなると、1円でも安い大型スーパーで商品を買ったり、大手リフォーム会社に工事を依頼したりせざるを得なくなっているのです。

地元の小売店や商店街、小規模な工務店など、個人的な価格以外のサービス努力ではどうにもならない経済サイクルなのです。
その結果、若い働き手が都市部に集中せざるを得ない、高齢者だけが地方に取り残される構造なのです。

最後に

少子高齢化の時代、やがて大手企業は国内から海外へ販路を見出す時代になり兼ねません。